目次

 

1.土つくり

まずはトマトが良く根を張れるように、なるべく深く土を耕します。
深く耕すことで、土中に大きな隙間が増え、根が十分に動けるようになりしっかりと根を張ります。
そして土を耕したら、次に土の酸性値を調整します。
トマトが好む土の酸度はpH5.5~6.5の間で、特にpHが5.5以下になると生育が悪くなるので注意が必要です。
日本は雨が多い国で、土は酸性に傾きがちなので、気になる場合は実際に酸度を計測して確認します。

酸度の調整は、1㎡あたりの土に

堆肥:3~4kg
苦土石灰:120~150g
化成肥料:120g もしくは 緩効性の肥料:150g (※化成肥料は窒素(N)・リン(P)・カリ(K)=8:8:8)

をよく混ぜて、2~3週間寝かせます。
土つくりは苗を植え付ける2週間前までに終えるように予め計画します。

2.畝立て

畝(うね)とは、細長く直線状に土を盛り上げたものです。
土を盛り上げて他より1段高くすることで、以下のメリットがあります。

  • 水はけを良くする
  • 雑草を進出させにくくする
  • 野菜の世話をするのに作業をしやすくする

そして畝は、日照がまんべんなくあたる、南北方位に立てることが基本です。

【 畝を作る手順 】

  1. 細長く直線状に作るので、しっかりと幅や高さを測ります。
  2. 幅は肩幅を意識して70~80cmとし、直線の両端に目印を置いて形を決めます。
  3. 四隅を決めたらロープや紐を直線に張り、外側両方の土を“じょれん”や“平鍬”を使って盛っていきます。
  4. 高さはなるべく高い方がよいので、最低でも20cmは土を盛りましょう。
  5. トマトの畝は中心を高く外は滑らかな“かまぼこ”のような形に整えます。

3.苗の仕入れ

トマトは種から育てることももちろんできますが、最初は苗を仕入れて植えた方が確実です。
苗には接木苗(つぎき)と実生苗(みしょう)の2種類があります。

接木苗:トマトとは違う種類の苗を台木にし、そこにトマトの苗を接ぎ木したもの

実生苗:種から発芽したもの

接木苗の方が、上と下の植物の種類が異なるので、連作障害、病気に強く、根張りがよいので育てやすく、初めて育てる方は接木苗をお勧めします。
ただし、実生苗と比べると若干割高です。
そして苗を選ぶときは時期を見極めが大事です。。
店頭に苗がたくさん並んでいるときが購入のタイミグで、元気のいい苗を選べますが、早すぎたり遅すぎたりするとまだ若い苗や、残った元気のない苗しか選べないことが起こりかねません。

  • たくさんの葉がついていて青々としているもの
  • 株がそれなりに高く育っているもの
  • また既に花が咲いているもの

が元気な苗のポイントです。

苗選びに不安な時は、種苗屋さんで仕入れることを勧めます。
ホームセンターにはたくさんの種類の苗があって、有名メーカーのブランドトマトの苗が安く並んでいるのを見かけますが、お店の担当者が苗に詳しいとは限りません。
しかし種苗屋さんでは、お店の人が一つ一つ確実に苗をチェックして、生育のいいものを出してくれるはずです。
また、その地域での育て方のコツも教えてくれるかもしれません。

サターン

サターン

桃太郎ゴールド

桃太郎ゴールド

4.苗の植え付け

畝が完成し苗を仕入れたら植え付けします。
まず、株を植える位置を決めます。
株と株の間を大玉トマトの場合は60cmミニトマトの場合は50cmあけるように、均等に測ります。
あまり間を狭くすると、高く伸びて横に枝が広がるので密集して風通しや日当たりが悪くなり、成長に悪い影響を与えてしまいます。
植える場所を決めたら、三角鍬などで苗が十分入る大きさの穴を掘り、掘った穴に優しく苗を植えます。

畝に穴を開ける

穴を開けた畝

穴に苗を植えたら土をかぶせ、苗がグラグラしないように軽く上から土を抑えます。
このとき、あまり強く抑えなように注意してください。
軽く抑えたら、苗の根元を中心に半径10cmの円を描くようにして土を少しだけ掘り起し、根元で水をしっかりと受けるようにくぼみを作ります。
最初は根がしっかりと張っていないうえ、茎もまだまだ細いので、激しい雨や風にあうと倒れたり、茎が折れてしまうことがあります。
そうならないように、短い棒を使って仮の支柱を施します。

苗,支え

苗を支える

根元から少し離れた場所に仮支柱を立て、麻紐で茎と支柱をくくります。
この作業を“誘引(ゆういん)”といって、紐を8の字にして、輪っかの部分に茎と支柱を入れ、やや余裕のある状態で結びます。

5.水やり

トマトは基本的には水を与えなくても育ちますが、苗を植え付けしてから根がしっかり張るまでは、定期的に水を与えます。
水分が不足すると枯れてしまうので、最初は注意が必要です。
水は朝か夕方の涼しいときに与えるのが基本です。
夏場など昼間に水を与えると、土の中でお湯になり根がやけどしてしまうので絶対にしてはいけません。
地植えの場合は、畝の表面がカラカラに乾いていても、土の中は水分を保持しています。
水の与えすぎもよくないので、3日に1回のペースで水を与えます。
あまりにも日照りが続き乾燥が著しい場合などは頻度を増やすなど対応しましょう。

土の中の水分量は見てもわかりません。気になる場合は”土壌水分計”を使うと数字で水分量を把握することができとても便利です。
水やりのタイミングを決めるのに使える道具です。

土壌計測器

6.わき芽かき

トマトが成長する過程で、茎と枝の間から芽が出てきますが、これを“わき芽”と呼びます。

わき芽

わき芽もすくすく伸びます

わき芽を見つけたら早いうちに摘み取ります。
わき芽を摘み取ることを“わき芽かき”といいます。
わき芽が成長すると元の茎と同じくらい太くなり、そこからたくさんの枝が伸びてきます。
すると茎、枝、葉が密集し、日当たりや風通しが悪くなり、実の成長を阻害することになります。
さらに、わき芽が伸びると枝や葉の成長に栄養がとられ、実の着きが悪くなることにもつながるのです。
わき芽が出てきた初期段階では、わき芽と分かりやすいのですぐに摘み取れますが、摘み取り忘れるとどっちが元の茎かわからなくなる程成長するので注意が必要です。

参考:放っておいた例
わき芽を摘み取り忘れると、気づいた時にはどっちが元の茎かわからなくなる程成長し、二股に分かれて横に広がっていきます。

トマト,わき芽

わき芽が成長して2つに分かれた

どっちがわき芽か見極めて、思い切って切り取りましょう。

7.支柱立て

トマトの茎は1~2m程の高さまで伸び、たくさんの実を着けるので、放っておくと自分で支えることができなくなりやがて地面に倒れてしまいます。
そうならないように頑丈な支柱を立てて、トマトが上に伸びるように支えてあげます。

1列植えした畝に、平面の支柱を立てる例

 

支柱,畑

支柱が立った畑

 

 

支柱の立て方
準備するもの(参考情報:畝の長さ6m、苗は1列植え)
・鉄芯 約1m ×5本
・鉄パイプ 約2m ×5本
・鉄パイプ 約6m ×2本
・ポリポット黒 ×5個
・ポロポット赤 ×2個
・固定用バネ ×10個
・ハンマー
・紐

作業1:基礎の鉄芯を打ち込む
支柱を立てる基礎になる鉄芯を打ち込みます。
畝の端から端まで均等に5本を配置し、ハンマーで鉄芯の半分程が埋まるまで打ち込みます。
5本が真っ直ぐ1列に並ぶように確認しながら埋め込みます。

支柱

基礎となる鉄心を打ち込む

作業2:鉄芯にポリポット黒をはめ込む
それぞれの鉄芯に、黒色のポリポットを土につくまではめ込みます。
ポリポットの底には予め穴が開いているので、その穴に鉄芯を通します。
もし穴が小さいようなら、ハサミなどで少し切って穴を広げてから通します。

支柱

黒のポリポットを鉄心にかぶせる

作業3:鉄芯に鉄パイプ(約2m)を差し込む
鉄パイプ(約2m)を鉄芯に差し込みます。
作業2ではめ込んだポリポット黒まで差し込みます。
すると基礎の鉄芯と、鉄パイプの隙間にポリポットが挟まり、隙間に土が入って固まることを防ぎます。
(土が入って固まると、鉄パイプが抜けなくなり、解体できなくなります)
ここまで終了すると、畝に5本の鉄パイプがたっている状態です。

支柱

パイプを鉄心に差し込む

作業4:横に鉄パイプ(約6m)を固定し、支柱全体の強度をUP
次に横に鉄パイプを固定します。
立っている鉄パイプの一番上と、真ん中より下で全体の1/3程のところに1本ずつ横に配置します。
固定するには専用のバネを使うと簡単にしっかり固定できます。
地面と平行になるように確認しながら固定します。

支柱

骨子ができた

支柱

専用のバネで固定

作業5:横にラインを張る
骨組みができたら、トマトが成長したときに誘引する為のラインを張ります。
最初に横のラインを張りますが、横は全体の重みがかかってくるので強度のある紐を使います。
また、ラインを張る数は、上下の鉄パイプの間に等間隔で2本と、畝と下の鉄パイプの間に1本の合計3本です。

ラインの張り方は、
①片方の端の鉄パイプに紐を結びつける
②もう一方の端に向けて紐を伸ばしながら、途中3本の縦の鉄パイプに1周巻きつける
③終わりの支柱に紐を括り付けて仮どめする
④①の端から紐のたるみがないように引っ張りながら、③の端まで行き、そのまま結んで固定する
⑤真っ直ぐ張られていることを確認する
の手順です。

支柱

横に強めのラインを張る

作業6:縦にラインを張る
横にラインを張ったら最後に縦のラインを張ります。
張り方は横のラインと同じ手順で、1番上の鉄パイプに紐を結びつけて下に向かって張っていきます。
(下から上に張ると、一番下の紐が上に引っ張られて凸凹になる)
また、縦のラインの本数は大玉トマトとミニトマトで異なります。
大玉トマトは株の真上に1本のみで、ミニトマトは株の上に1本と、隣の株との間に1本を張ります。

支柱

縦のラインを張る

作業7:安全確保 鉄パイプありの表示
作業の最後に横に固定した鉄パイプの端に、赤色のポリポットをはめ込み、“注意”の表示をします。
鉄パイプが高い位置にあり気づきにくいので、ケガをしないために目立つようにしておきます

支柱

危険!注意してのサインです

8.摘果

大玉トマトをつくる場合、第1花房にできた実を早い段階で意図的に摘み取ります。
これを“摘果(てきか)”といいます。
根菜や葉野菜の“間引き(まびき)”と同じ狙い・効果です。
※ミニトマトの場合はしなくても良いです
第1花房(一番土壌に近い場所にできる実)に着果して、ピンポン玉程の大きさまで成長したら、完熟するまで待つことなく摘果します。
この先着果する第2花房、第3花房としっかりと着果するように、栄養を上へと回す為の処置です。
摘果はトマトの実一つ一つではなく、第一花房の枝ごと切り取ってしまいます。
5~6個実をつけるので、とてももったいない気持ちになりますが、ためらわずに切り取ることが大事です。
枝を手でへし折ると、切り口が広がってそこから腐ってしまうこともあるので、切り口をきれいにするよう必ずハサミを使います。

摘果

ハサミできれいにカットしましょう

9.成長促進

トマトの株が成長して花をつけたら、実が着きやすくなるように植物成長調整剤を散布します。
植物成長調整剤を散布すると、必ず着果するわけではありませんが、散布しない場合と比べると着果率や実の出来がよくなるといわれています。
植物成長調整剤とは、オーキシン活性により、トマト・ナスの着果、肥大、熟期の促進作用を有する植物ホルモン剤です。
効果は、噴霧処理2~3日たつと、果梗が太くなり、幼果のつやが増し、発育が非常に早くなり、初期収穫量の増加が期待できます。
今回は「トマトトーン」という調整剤を使用しましたが、トマトトーンは水で薄めて散布します。
花の表から全体にかかるように噴霧しますが、使用回数は「1花房につき1回のみ」を守ってください。

トマトトーン

トマトの花にトマトトーンを吹きかける

10.下葉かき

根元に近いところについている葉を“下葉(したば)”と呼びますが、この下葉を意図的にとってしまうことを、“下葉かき“といいます。
苗の植え付けをして概ね1カ月たった頃から行います。
目安として株の高さが80~100cm、第2花房に着果した頃からする作業です。
トマトの生育には、「日当たり」と「風通し」がとても大切です。
都度わき芽を摘んでも成長すると全体が鬱蒼(うっそう)としてくるので、下の不要な葉から落としていきます。
落とし方は、手で取ってもかまいませんが、なるべくハサミできれいに切り落とします。
また、作業は晴れの日にすることをお勧めします。雨の日にすると切り口から腐ってしまうことがあります。
大玉トマトの場合は、第1花房の実は摘果しているので、第2花房の下までを目安に、地面から20~30cm程の枝を切り落とします。
以降は、随時収穫が終わった下の方から不要な葉を切り落としていくと、栄養が上の方によく回り、長くトマトの収穫を楽しむことができます。

下葉かき

根元の葉をバッサリ

11.鳥対策(ネットはり)

トマトの実が着いて赤く色づき始めると、カラスなどの鳥から狙われます。
鳥との戦いは避けて通れない永遠の課題です。
せっかくできたトマトを収穫する前にカラスに収穫されるわけにはいきません。
鳥(特にカラス)は、トマトの実が青いうちは見向きもしませんが、だんだん赤くなってくるとどこからかやってきて、実を獲っていきます。
第1花房や第2花房の実が赤くなり始めた頃から、カラス対策を始める準備をします。
カラスから実を守るには、フェンスネットが有効です。
カラスは地面に降りてきて、下の方にある実を獲っていくので保護するのは株の上の方ではなく、下の方がメインとなります。
従って1m幅のフェンスネットを用意し、長さはトマトの畝の長さに合う分を用意してください。
ネットを用意したら、トマトの株を囲うように張ります。
1列植えした畝に、平面の支柱が立っている場合、四隅と畝の中心部分の両側に合計6本の短い支柱を立てます。
その支柱にフェンスネットを固定してトマトの周りを1周囲ってあげます。
ネットはピンと張らずに、上が多少弛むようにしてカラスがネットにとまれないようにし、下は地面に着いて10cm程余裕があるようにしておくと、下からくぐられる心配もなくなります。

ネット

畝を囲むようにネットを張る

12.摘芯

放っておくとトマトはいつまでも成長しますが、ある程度まで伸びたら意図的に茎をカットします。
これを”摘芯(てきしん)”といいます。
摘芯をしない場合、茎が伸び続けその後も実を着けますが、遅くできた実は徐々に味が落ちていくので、美味しいトマトの収穫は見込めません。
摘芯をすることで、それまでにできている実に栄養をたっぷり与えられるようにします。
摘芯のタイミングは、第6花房か第7花房が出てきた頃で(高さにして約2m程)、メインの茎を思い切ってハサミでカットします。

摘芯

ハサミで茎をカットする

13.収穫

実が熟れるといよいよ収穫です。
トマトが赤く色づいたら、トマトを掌で支えながらハサミでカットして摘み取ります。
ただし、真っ赤になるのを待っていると、それまでに雨に打たれて”裂果(れっか)”(皮が破れてしまう)することがあるので、確実に収穫する為に、少し赤くなった段階で早めに収穫しても構いません。
早めに収穫したトマトは、気温が一定している場所でしばらく寝かせて熟れるのを待ちます。
トマトは、常に冷蔵庫で保管するのではなく、食べる1時間ほど前に冷やすと美味しく食べることができます。

桃太郎ゴールド

光り輝く桃太郎ゴールド

14.撤収

トマトの収穫が終わると残った株を撤収します。
そのまま株を引き抜くと大変なボリュームになるので、まずは支柱に括りついている状態のまま根っこだけを引き抜きます。
根っこを引き抜いておくと徐々に株が枯れてしぼんでいくので、ボリュームがかなり抑えられます。
全て枯れた段階で支柱から外し、畝から取り除きます。
最後に支柱を解体して片付けるとトマト栽培終了です。

アイコ

根元をハサミでカット

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